1.白雲の城
作詞:松井由利夫
作曲:水森英夫
夢まぼろしの 人の世は
流れる雲か 城の跡
苔むすままの 石垣に
栄華の昔 偲べども
風蕭条(しょうじょう)と 哭くばかり
城 黙して 語らず
天 永遠(とこしえ)に 動かず
人 人のみ 心揺れて…
月影浮かべ 満々と
湛(たた)えし堀も 水涸れて
名もなき花に 宿る露
幾星霜の 病葉(わくらば)が
積もりて朽ちし 大手門
心の褥(しとね) 草まくら
誰(た)が吹く笛か 琴の音か
月下に起(た)てる 若武者の
凛々しき姿 今いずこ
あゝ荒城の 秋が逝く
2.夕焼け波止場
作詞:かず翼
作曲:宮下健治
泣かないで 泣かないで
夢であの娘を 抱きしめた
浮き寝鳥だよ マドロスなんて
明日はいずこか 潮路は遥か
心残してザンブリコ 波の上
雲が流れる あのあたり 夕焼け波止場
帰ろかな 帰ろかな
忘れられない 片えくぼ
今もあの娘は 独りでいると
噂カモメが 伝えて鳴いた
心残してザンブリコ 波の上
男純情を 置いて来た 夕焼け波止場
逢いたくて 逢いたくて
みなと灯りが うるんだよ
待っていてくれ 迎えに行くよ
風の吹きよで 潮路も変わる
心残してザンブリコ 波の上
出船入船 帰り船 夕焼け波止場
3.赤いシャツ着て
作詞:管麻貴子
作曲:絵原さとし
つんつんつん 月がょー 月がょー あんなに細いから
僕のょー 僕のょー 心につきささる
君に逢えない こんな夜は 赤いシャツ着て 歩いてゆこう
じんじんじんと くるよな都会の海に
僕は浮かべる この想い
はんはんはん 花はょー 花はょー 嘘では咲くものか
僕もょー 僕もょー 咲かそう恋の花
灯りちらちら 滲むのは 汗のしずくさ 涙じゃないよ
りんりんりんと 夜空に向かって歌おう
君に捧げる この歌を
あんあんあん 明日はょー 明日はょー 必ず飛んで来る
都会(まち)にょー 都会(まち)にょー ふたりの青い鳥
噂なんかは 気にせずに 赤いシャツ着て 歩いてゆこう
じんじんじんと 愛しさ感じるだけで 僕はしあわせ ど真ん中
4.あの娘は行っちゃった
作詞:下地亜記子
作曲:水森英夫
あの娘は行っちゃった 倖せも行っちゃった
夕陽背おって 出てゆく船で
夢をさがして 西東
噂たよりに たずね旅
風がひゅんひゅん 泣く夜は
命ひゅんひゅん 淋しがる
波止場 函館 はぐれ雲 さすらい港町
サヨナラ言っちゃった 強がりを言っちゃった
マジでぞっこん 惚れてたくせに
沖のカモメが 輪を描いて
馬鹿なこの俺 笑ってる
波がざんぶら うねる日は
未練ざんぶら 騒ぎ出す
夜霧 横浜 酔いしれて さすらい港町
あの娘は行っちゃった 想い出も行っちゃった
恋の漁火も 悲しく消えた
あの日交わした 約束を
捨てて今ごろ どこの空
風がひゅんひゅん 胸を打ちゃ
心ひゅんひゅん 恋しがる
涙 長崎 長い夜 さすらい港町
5.さいはての陽子
作詞:小田めぐみ
作曲:大谷明裕
記憶たどれば 津軽のはずれ そっと抱き寄せ あおいだ小雪り
きみの面影 地図にして 着いた港の 薄あかり
北の果てにも 朝陽は昇る ひとつ ひと夜の ひぐれうた
心燃やすよ… さいはての陽子
岩木山には 木枯らしばかり 誰も無口な 旅人ばかり
月に三度が 二度になり いつか途絶えた 恋便り
北の果てにも 朝陽は昇る ふたつ ふるさと 吹く
風に 呼んでみるのさ… さいはての陽子
渡り疲れた 海鳥たちも 羽根を休める 竜飛の岬 帰りついたら
この胸で 涙やむまで 泣けばいい
北の果てにも 朝陽は昇る みっつ 港の みぞれ雪
今も消えない… さいはての陽子
6.きよしのズンドコ節
作詞:松井由利夫
作曲:水森英夫
(ズンズンズン ズンドコ ズンズンズン ズンドコ)
風に吹かれて 花が散る
雨に濡れても 花が散る
咲いた花なら いつか散る
おなじさだめの 恋の花
向こう横丁の ラーメン屋
赤いあの娘の チャイナ服
そっと目くばせ チャーシューを
いつもおまけに 2・3枚
(ズンズンズン ズンドコ ズンズンズン ズンドコ)
明日 明後日 明々後日
変わる心の 風車
胸に涙が あふれても
顔にゃ出せない 男なら
角のガソリン スタンドの
オイルまみれの お下げ髪
なぜかまぶしい 糸切り歯
こぼれエクボが 気にかかる
(ズンズンズン ズンドコ ズンズンズン ズンドコ)
辛い時でも 泣き言は
口を結んで 一文字
いつかかならず 故郷へ
錦かざって 帰るから
守り袋を 抱きしめて
お国訛りで 歌うのさ
西の空見て 呼んでみる
遠くやさしい お母さん
(ズンズンズン ズンドコ ズンズンズン ズンドコ)
7.あん時ゃどしゃぶり
作詞:矢野亮作
作曲:佐伯としを
あん時ゃどしゃぶり 雨ん中り
胸をはずませ 濡れて待ってた 街の角
ああ 初恋って言う奴ぁ 素晴らしいもんさ
遠い日のこと みんな夢
ひとりしみじみ 思い出してる 雨ん中
あん時ゃどしゃぶり 雨ん中り
離れられずに 濡れて歩いた 何処までも
ああ 別れるって言う奴ぁ たまんないもんさ
辛い運命(さだめ)を うらんだよ
ひとりしみじみ 思い出してる 雨ん中
あん時ゃどしゃぶり 雨ん中り
やけのやん八 濡れて泣いたぜ 思い切り
ああ 思い出って言う奴ぁ ほろ苦いもんさ
今じゃあの娘(こ)も どうしてか
ひとりしみじみ 思い出してる 雨ん中
8.リンゴ村から
作詞:矢野亮
作曲:林伊佐緒
おぼえているかい 故郷の村を
便りも途絶えて 幾年過ぎた
都へ積出す 真赤なリンゴ
見る度辛いよ 俺らのナ 俺らの胸が
おぼえているかい 別れたあの夜
泣き泣き走った 小雨のホーム
上りの夜汽車の にじんだ汽笛
切なく揺するよ 俺らのナ 俺らの胸を
おぼえているかい 子供の頃に
二人で遊んだ あの山小川
昔とちっとも 変っちゃいない
帰っておくれよ 俺らのナ 俺らの胸に
9.チャンチキおけさ
作詞:門井八郎
作曲:長津義司
月がわびしい 露地裏の
屋台の酒の ほろ苦さ
知らぬ同志が 小皿叩いて チャンチキおけさ
おけさ切なや やるせなや
一人残した あのむすめ
達者でいてか お袋は
すまぬ すまぬと 詫びて今夜も チャンチキおけさ
おけさおけさで 身をせめる
故郷を出る時
持って来た 大きな夢を
さかずきに そっと浮べて もらすため息 チャンチキおけさ
おけさ涙で くもる月
10.流転
作詞:藤田まさと
作曲:阿部武雄
男命を みすじの糸に
かけて三七二十一目(さんしちさいのめ)くずれ
浮世かるたの 浮世かるたの 浮沈み
どうせ一度は あの世とやらへ
落ちて流れて 行く身じゃないか
鳴くな夜明けの 鳴くな夜明けの 渡り鳥
意地は男よ 情は女子
ままになるなら 男を捨てて
俺も生きたや 俺も生きたや 恋のため
11.おんなの宿
作詞:星野哲朗
作曲:船村徹
想い出に降る 雨もある
恋にぬれゆく 傘もあろ
伊豆の夜雨を 湯舟できけば
明日の別れが つらくなる
たとえひと汽車 おくれても
すぐに別れは くるものを
わざとおくらす 時計の針は
女ごころの かなしさよ
もえて火となれ 灰になれ
添えぬ恋なら さだめなら
浮いてさわいだ 夜の明け方は
箸を持つ手が 重くなる
12.男の純情
作詞:佐藤惣之助
作曲:古賀政男
男いのちの 純情は
燃えてかがやく 金の星
夜の都の 大空に
曇る涙を 誰が知ろ
影はやくざに やつれても
訊いてくれるな この胸を
所詮 男のゆく道は
なんで女が 知るものか
暗い夜空が 明けたなら
若いみどりの 朝風に
金もいらなきゃ 名もいらぬ
愛の古巣へ 帰ろうよ
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